~英彦山の歴史 開山~
英彦山の開山は、531年に中国北魏の僧である善正が英彦山に入山し、修業を始めました。
ちなみに日本への仏教伝来は538年(552年という説もあり)に朝鮮半島にあった百済から伝来と言われおり、英彦山はそれよりも早く、かつ中国経由で仏教が伝来したようです。
ある時、善正は山で猟を行っていた豊後国の狩人 藤原恒雄に殺生をしないよう諌めましたが、恒雄は刈りを止めませんでした。
そして恒雄の矢が、白鹿を射止めた時、三羽の鷹が飛来し、矢を抜き、傷を舐めて、水を与えると白鹿が蘇りました。
恒雄は彦山神の霊験であると悟り、善正に帰依して、彦山霊仙寺(現在の英彦山神宮)の基礎となる草庵を築いたと言われています。
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~英彦山の歴史 平安・鎌倉時代~
平安時代に、「日本の神様(いわゆる八百万の神様)は仏教の仏様が姿を変えて現れた」とする「権現思想」が生まれました。
英彦山でも英彦山三峰(北岳・中岳・南岳)にそれぞれ、北岳は天忍穂耳命と阿弥陀如来、中岳は伊邪那美命(イザナミノミコト)と千手観音菩薩、南岳は伊邪那岐命(イザナギノミコト)と釈迦如来を祀り、彦山三所権現として尊像が作られました。
鎌倉時代になると、49の修行窟が整備され、年中行事も整い、更に1333年には後伏見天皇第六皇子、助有法親王が英彦山座主(英彦山の最高権力者)に迎えられました。そして天皇家の御血縁を持つ座主を継続するため輪番制から世襲制としました。
しかし当時は女人禁制のため妻帯で英彦山に入山することができず黒川荘(朝倉市黒川)に座主院を造営しました。以後140年間、座主は黒川院より遠隔統治を行いました。
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~英彦山の歴史 戦国時代~
戦国時代の英彦山は様々な戦国大名からの干渉の連続でした。
1568年と1581年に、豊後のキリシタン大名・大友宗麟から武力行使を受け、後者は足掛け7年に及んだといわれています。
その後も豊前領主の毛利勝信からの干渉、そして1587年、豊臣秀吉の九州平定により七里四方(英彦山を中心に約28km圏内)に及ぶ神領の全てを没収され、英彦山は壊滅状態に追い込まれました。 この相次ぐ武力行使により、山内は荒廃し、多くの書物や建物が消失してしまいました。
英彦山復興のため、山伏たちは檀家回りに力を入れました。そして檀家の数が九州一円に42万個戸にまで及んだといわれています。
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~英彦山の歴史 江戸時代~
関ケ原の戦後、豊前領主細川忠興は1200石の知行を寄進し、英彦山の復興に努めました。
1616年には霊仙寺大講堂(現在の英彦山神宮奉幣殿)を寄進しました。また鍋島勝重は1637年に銅鳥居を寄進し、1729年には霊元法王の院宣により「彦山」から「英彦山」に改められ、銅鳥居にかける額を下賜されました。
このように筑前の黒田家など九州各地の大名が寄進や奉納を通して英彦山を保護していき、英彦山は「英彦山三千八百坊」と称されるように、山伏屋敷が800軒、人口が3000人以上が暮らす隆盛ぶりでした。
また1696年には京都聖護院との本末論争の末、本山派の末寺ではなく、独自の天台修験道の「彦山派」として認められるようになりました。
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~英彦山の歴史 明治時代~
明治時代になると状況は一変します。明治元年の神仏分離令、明治4年の修験道禁止令により、神仏の集合の慣習が禁止され、修験道も行えなくなりました。
英彦山は神道か仏教か選択せざるを得ず、英彦山は神道を選択しました。座主だった教有は僧籍を返上し、英彦山神社 大宮司となり、英彦山修験道の中心的存在であった「霊仙寺」は英彦山神社(現在の英彦山神宮)と改称、大講堂も英彦山神社の奉幣殿となり、ここに英彦山神社(現在の英彦山神宮)が誕生しました。
同時に千数百年に渡る英彦山修験道の歴史は幕を閉じ、強力な山伏組織は離散してしまいました。
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~もっと深く英彦山の歴史を知りたい方は~
英彦山に興味が湧いた方には、山伏文化財室と修験道館をお勧めします。
山伏文化財室はこの建物の2階にあります。地元の方が所蔵していた文化財を中心に、廃仏毀釈から逃れた貴重な仏像など展示しています。
・開館時間 8:30 ~ 16:30
・年中無休
・拝観料 無料
修験道館は英彦山神宮から5分ほど歩いた旧政所坊跡にあります。英彦山神宮や発掘調査で発見された遺物や文物などを中心に展示しています。
・開館時間 9:30 ~ 16:30
・開館日 3月~9月:月~木曜日 10月~11月:月・木曜日
12月1日~24日:月~木曜日 12月25日~2月末
・拝観料 一般:200円 高校生・65歳以上:150円
中学生以下:無料
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以上の文字起こしした写真です。正確には写真をご確認あれ!
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